騙されやすい人を狙い撃ちする、そのわかりやすい戦略が鮮やかに描かれています。
情報は、こちらの本からです。
詐欺(スパム)の文章や内容が明らかに怪しいのは、「あえて怪しく」している。
メールボックスに届くスパムメールの怪しい投資話や、知らない人からの財産分与に始まり、
会社や自宅の郵便受けに届く怪しい封筒の文章たち。
「一体これは誰が信じるのだろう?」と多くの方が思っているのではないでしょうか。
それもそのはず。それは”あえて怪しく、いかにも疑わしい”ようにしているのです。
なぜか。
それは、騙す側の工数(=詐欺など不法行為にかかる時間)を削減するためです。
つまり、”明らかに怪しい”レベルの文章や誘い文句で騙されやすさに基づき篩(ふるい)に
かけて、騙されやすい人だけを的確に集客しているのです。
生きていれば、様々な怪しい誘いがあります。その実生活で人は知恵を身に着け、
多くの人は騙されなくなります。つまり詐欺への抗体が出来上がるわけです。
詐欺集団も人手に限りがあるので、詐欺抗体がある人を避け、有望な見込み客のみに
時間を使いたいということなのです。
僅かな可能性があっても、最終的に騙されない人たちに時間を使っていられないのです。
まさに驚くべき戦略と言えます。
逆に言えば、その発想力を他に使うところがあるんじゃないか、と思わずにいられません。
海外生活でよくある典型的詐欺、ナイジェリアからの入金
そんなことある?と自問自答せずにはいられないパターン1です。
ナイジェリアの親族から遺産の入金がある、もしくはナイジェリアに投資したら
必ず儲かるのですぐに送ってほしいというものです。
ほとんどの皆さんはナイジェリアに縁もゆかりもないと思います。
私自身もこちらの本を読む前は、
「こんなものに、一体だれがひっかかるのか」と首をかしげていました。
明らかに怪しい、ことこそに意味がある詐欺です。
理由は上記の通り、騙されやすい人のみをスクリーニング=篩(ふるい)にかけるためです。
統計好きの私としては、一体どのくらいの割合から返答があるのか知りたいところです。
こういう案件って営業活動と同じく、一定の確率、例えば2%は必ず引っ掛かる
というように数字は落ち着きます。
怖いことですが、皆さんもお気を付けください。
スパムメールに返答したらどうなるのか:TEDトークより
英語版しかないので申し訳ないですが、こちらをご覧ください。
TEDトークで
This is what happens when you reply to spam email
=スパムメールに返信をしたら一体どうなったか。
というコメディアンの実体験プレゼンです。
話の概要を簡単にまとめます。(ご興味ある方は英語字幕もあるので、ご興味のある方は見てください)
スパムメール側(名前がソロモン):金塊の送付による儲け話があるので投資しませんか。
あなたに金塊を送るので、その価値の10%があなたの取り分です。
試しに25Kg=約250万円分から始めましょう。私に送金できますか。
返信するコメディアン:興味あります!
25kgなんて非常に少ない。どのくらい金を持っていますか。
一気に1トン単位=1億円を超えはどうですか。
スパムメール:一体、どんな職業をされていますか。
返信するコメディアン:ヘッジファンドのマネージャーです。早く取引しましょう。
質問ですが、儲かった分はどのように使いますか。
スパムメール:投資に使います。あなたは?
コメディアン:ハムです。30種類以上の食べ方があり、素晴らしいですよ。
あなたは知っていますか?!
というようにどんどんエスカレートしていき、最後はコードネームでのやり取りをしだします。
そこでこの詐欺業者とのやり取りは終わります。
このTEDトークで注目してほしいのは、詐欺の内容です。
ビジネスの話のようですが、金を送りつけて、送金金額の10%分が取り分という話を
一体誰が信じるのでしょうか。
残念なことに一定の確率で、騙される人がいるということです。
”あえて内容を怪しく”するが上記の内容です。
他にも興味深い内容が目白押しでお勧めできる本です。
それでは。